「VT」と「VTI+VEA+VWO」はどっちがおすすめ?コストと違いを徹底比較!

Pocket

全世界への投資を考えている場合に思い浮かぶのが、「VT」ですよね。

しかし、「VTI(米国)」「VEA(先進国除く米国)」「VWO(新興国)」を組み合わせることで、「VT(全世界)」同様、全世界への投資を行うこともできます。

どちらがおすすめなのでしょうか??
疑問に思ったので、それぞれの違いとコストを、具体金額例とともに調べてみました!!

最後に、「どんな人にどっちがおすすめ?」もまとめています。
参考になれば幸いです!

・30代ワーキングマザー
・投資歴4年、運用額500万円程度。
・投資にも少し慣れてきたので、2021年度より月50万円投資を開始!
目次

「VT」とは?

VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)とは、バンガード社が提供するETFです。
VT1本で、大中小型の全世界株式8,925銘柄に分散投資できます。
時価総額比重で、3か月ごとに構成銘柄が見直
されています。
※2021年2月時点

地域割り当て

北米:59.4%(≒VTI)
欧州:16.6% + パシフィック(日本含む):12.4%(≒VEA)
新興市場:11.3%(≒VWO)
中東:0.1%
その他:0.2%

いざなみ

VT1本で全世界の大中小型株に分散投資できるって、すごいですよね。

「VT」と「VTI+VEA+VWO」はどう違うの?

上述の通り、「VTI+VEA+VWO」を組み合わせることで「VT」をほぼ同様に再現することができます。

違いとしては、「VT」は3ヵ月ごとに時価総額比重で銘柄構成が見直されますが、「VTI+VEA+VWO」では自分で地域ごとの比重を組む必要があります。

「VT」は手軽で、「VTI+VEA+VWO」は自由度が高い、といったイメージですね。

例えば、取り崩すことを考えると、「VT」は崩したいタイミングの価格で売却する必要がありますが、「VTI+VEA+VWO」であればそのとき価格が上がっているものを選んで売却することができます。

「VT」が向いている人

  • 「VT」の時価総額割合で全世界投資をしたい人
  • 投資に手間を掛けたくない人

「VTI+VEA+VWO」が向いている人

  • 自分で地域ごとの構成比率を決めて自由に全世界投資をしたい人
  • 定期的に、自分で構成比率の見直しをするつもりの人
  • それぞれの銘柄のタイミングを計って、売買したい人
いざなみ

どっちも良いところ、気になるところがあるので悩ましいですね。

「VT」と「VTI+VEA+VWO」はどっちがお得?比較検証!

手の中の世界地図

それぞれの性質の違いについて記載しましたが、コスト的にはどうなのでしょうか??
比較してみました!

その①信託報酬経費率を比べてみた

それぞれの銘柄の信託報酬は下記のとおりです。

ティッカー信託報酬100万円保有1,000万円20年保有
VT0.08%年間800円計160,000円
VTI0.03%年間300円計60,000円
VEA0.05%年間500円計100,000円
VWO0.1%年間1,000円計200,000円

「VT」と「VTI+VEA+VWO」の比較

それでは、VT単体を保有した場合と、3銘柄を同じ比率で保有した場合の経費について比較してみます。

ティッカー信託報酬100万円保有1,000万円20年保有
VT0.08%年間800円計160,000円
VTI+VEA+VWO0.045%年間450円計90,000円
以下、VTI+VEA+VWOの内訳
VTI0.02%(0.03%*0.59)
VEA0.015%(0.05%*0.29)
VWO0.01%(0.1%*0.11)

対資産額として見ると誤差の範囲ですが、金額・期間が多くなると、数万円以上の金額差が出てくることが分かります。(「VTI+VEA+VWO」が安い)

その②購入手数料を比べてみた

私はSBI証券でETFの定期買い付けしているので、SBIでの料金を比較してみました。

SBIの買付手数料は約定代金の0.45%・税込約0.5%で、上限20米ドル(税込22米ドル)となっています。
なので、1回の購入金額が50万円を大きく超える場合は、手数料の割合が下がります。

ティッカー購入手数料100万円<分割>購入50万円以上<一括>購入
VT0円0円0円
VTI0円0円0円
VEA0.5%5,000円22ドル(2,420円)
VWO0.5%5,000円22ドル(2,420円)
いざなみ

VT、VTIの他、VOOなども購入手数料無料です。
ありがたいですね!

「VT」と「VTI+VEA+VWO」の比較

それでは、VT単体購入した場合と、3銘柄を同じ比率で購入した場合の経費について比較してみます。

ティッカー100万円<分割>購入1,000万円<分割>購入
VT0円(100万円×0%)0円
VTI+VEA+VWO2,000円20,000円
以下、VTI+VEA+VWOの内訳
VTI0円(59.4万円×0%)0円
VEA1,450円(29万円×0.5%)14,500円
VWO550円(11万円×0.5%)5,500円

購入手数料で見ると、VT単体購入の方が明らかにお得ですね。

その③売却手数料を比べてみた

VT他は購入手数料無料ですが、売却時はしっかり手数料がかかります。(税込約0.5%)

最終的には売却しないと使える資金にはならないので、売却手数料も算出してみました。

ティッカー売却手数料100万円<分割>売却50万円以上<一括>売却
VT0.5%5,000円(100万円×0.5%)22ドル(2,420円)
VTI0.5%5,000円22ドル(2,420円)
VEA0.5%5,000円22ドル(2,420円)
VWO0.5%5,000円22ドル(2,420円)
いざなみ

売却コストは一律に掛かります。

「VT」と「VTI+VEA+VWO」の比較

それでは、VT単体購入した場合と、3銘柄を同じ比率で売却した場合の経費について比較してみます。

ティッカー100万円<分割>売却1,000万円<分割>売却
VT5,000円(100万円×0.5%)50,000円
VTI+VEA+VWO約5,000円約50,000円
以下、VTI+VEA+VWOの内訳
VTI2,970円(59.4万円×0.5%)29,700円
VEA1,450円(29万円×0.5%)14,500円
VWO550円(11万円×0.5%)5,500円

売却コストは、どちらも同じです。

結局、どっちがお得?

金額別・保有年月別比較をまとめてみました。

  • 分かりやすくなるよう、細かい数値は丸めて記載しています。
  • 売買に掛かる手数料は、分割時の金額で算出していますが、50万円以上を一括とすればコストはもっと下がります。

年利0%の場合

まずは、分かりやすくするため、年利0%として試算してみます。
インデックスで0%なんてことはないと思いますが、あくまで参考値です。

100万円分保有した場合

ティッカー信託報酬購入手数料
<分割>
売却手数料
<分割>
20年保有コスト40年保有コスト
VT年間800円0円5,000円計21,000円
(保有額の2.1%)
計37,000円
(保有額3.7%)
VTI+VEA+VWO年間450円2,000円5,000円計16,000円
(保有額の1.6%)
計25,000円
(保有額の2.5%)
差額
(VT-3銘柄計)
年間350円▲2,000円±0円5,000円
(保有額の0.5%)
12,000円
(保有額の1.2%)

1,000万円分保有した場合

ティッカー信託報酬購入手数料
<分割>
売却手数料
<分割>
20年保有コスト40年保有コスト
VT年間8,000円0円50,000円計210,000円
(保有額の2.1%)
計370,000円
(保有額の3.7%)
VTI+VEA+VWO年間4,500円20,000円50,000円計160,000円
(保有額の1.6%)
計250,000円
(保有額の2.5%)
差額
(VT-3銘柄計)
年間3,500円▲20,000円±0円50,000円
(保有額の0.5%)
120,000円
(保有額の1.2%)

比較結果

以上の比較から言えることは、以下の通りです。

  • 長期保有すればするほど、個別銘柄に分けたほうがお得になる。
  • ただし、40年保有したとしても、それぞれの差は保有額の1%程度。
  • 割合比率は変わらなくても、金額が大きいほど掛かる費用の差額は大きくなる。

その他条件も考慮した考察は、後半でまとめて記載します。

年利4%の場合

それでは、年利4%で見てみましょう!
VTの過去実績では、ここ10年で配当金再投資なしでも年間9%程の成長があります。
しかし、インデックス投資のリターンとしては、4%想定ぐらいが妥当と考えていますので、こちらの利回りで算出してみました。

100万円分保有した場合

ティッカー20年後元本20年保有コスト40年後元本40年保有コスト
VT約2,200,000円
(220万円)
計36,000円
(保有額の1.6%)
約4,800,000円
(480万円)
計103,000円
(保有額の2.2%)
VTI+VEA+VWO約2,200,000円
(220万円)
計2,7000円
(保有額の1.2%)
約4,800,000円
(480万円)
計71,000円
(保有額の1.5%)
差額
(VT-3銘柄計)
9000円
(保有額の0.4%)
32,000円
(保有額の0.7%)

毎年の信託報酬は、毎年の複利込みで算出しているので、単純に投資額×信託報酬とはなりませんが、大枠上記の値になります。

いざなみ

やはり、複利効果が大きいですね!!

1,000万円分保有した場合

ティッカー20年後元本20年保有コスト40年後元本40年保有コスト
VT約22,000,000円
(2,200万円)
計358,000円
(保有額の1.6%)
約48,000,000円
(480万円)
計1,030,000円
(保有額の2.2%)
VTI+VEA+VWO約22,000,000円
(2,200万円)
計269,000円
(保有額の1.2%)
約4,800,000円
(480万円)
計705,000円
(保有額の1.5%)
差額
(VT-3銘柄計)
89,000円
(保有額の0.4%)
325,000円
(保有額の0.7%)

比較結果

以上の比較から言えることは、以下の通りです。
年利0%のときとほぼ同様ですね。

  • 長期保有すればするほど、個別銘柄に分けたほうがお得になる。
  • ただし、40年保有したとしても、それぞれの差は保有額の1%未満。
  • 割合比率は変わらなくても、金額が大きいほど掛かる費用の差額は大きくなる。
  • 年利が常に上がる状態で複利効果を活かせば、総投資額に対する手数料の割合は小さくなる。

考察

コストのみで考えると、長期投資かつ、大きな額の投資(数千万円レベル)を検討されている方は、「VTI+VEA+VWO」を購入した方がお得だ、ということが分かります。

しかし、分割購入時のリバランス手数料を考慮すると、コストに関する差は縮まりそうです。
ただし、リバランスの際は、「価格が上がっているものを売り」「価格が下がっているものを買い足す」ため、キャピタルゲインが期待できます。

つまり!!以下が結論です。

自分で銘柄売買のタイミングを見計ってリバランスできる人は、「VTI+VEA+VWO」が稼げる!!

そんな自信がないor手間を掛けられない人は「VT」!!

いざなみ

自信と手間を考えると、私には「VT」が向いている、と思いました

まとめ

それぞれのコストと違いを比較しながら、どんな人に向いているかをまとめてみました。

「VT」の方がコストが掛かることが分かりましたが、差額は月換算で見ると僅かなものです。(1,000万円×40円・年利0%だと250円/月)

コストだけを見て比較するより、「VT」「VTI+VEA+VWO」それぞれの性質の違いで、自分が好きな方を選ぶのが良さそうですね!

「VT」が向いている人

  • 「VT」の時価総額割合で全世界投資をしたい人
  • 多少経費で損があっても、投資に手間を掛けたくない人

「VTI+VEA+VWO」が向いている人

  • 自分で地域ごとの構成比率を決めて自由に組みたい人
  • 定期的に、自分で構成比率の見直し(リバランス)をするつもりの人
  • それぞれの銘柄のタイミングを見計って売買できる人(キャピタルゲインが獲得できる)
  • 長期かつ高額(数千万円レベル以上)の投資をするつもりで、少しでも経費を減らしたい人
いざなみ

ここまでお読みいただきありがとうございました!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次
閉じる