本やYoutubeなどを参考に、自分なりに投資を続けて4年。
「もっと本格的に投資したい!」と思い、ETFを中心に投資内容を精査しました。
自分で判断基準を持って投資できるようになりたい!
そう思ったものの、財務諸表も読めず、投資指標の意味も全く理解できていません。
「このままではダメだ!!」
そう思い、「ファンダメンタル投資の教科書」を読んでみました。
結果、全く分からなかった指標の意味、数字の読み方の感覚が分かりました。
そして、個別株の売買に掛かる自分なりの基準・指標をまとめることができました!!
こんな人にオススメ!
- 株価指標の意味が分からない方
- 指標がどうなったときに買う、売る、の感覚を知りたい方
そして、改めて「やはり個別株投資は厳しい・・」ということを再確認させられました・・。
手っ取り早く、基準だけ知りたい!という方は、「判断基準まとめ」からご覧ください。
「株価が上がる」銘柄を見つけよう!!
本書では、以下のような「株価上昇が見込める」銘柄の見つけ方を教えてくれます!!
- 成長株:これから成長が見込める銘柄
- 割安株:業績の割に、株価が安価な銘柄
株探しの代表的指標

優良株を探す際は、以下の指標を確認します。
なんだかんだたくさんあるので大変ですが、これで「見極め力」がつく!と思えば覚えるしかないですね!!

私もまだ駆け出しですが、意味が少しでも理解できるようになると、楽しいです♪
PER(Price Earnings Ratio)=稼ぐ力
概要
株価が、利益の何倍の水準であるか。
企業が生み出す利益に対して、株価はどの程度の割合か、が分かります。
PER(株価収益率)=株価/予想当期純利益(1株当たり)
つまり、利益に対して株価が高すぎると数値は大きくなり、株価に対して生み出される利益が大きいと数値は小さくなります。
例えば、PERが10であれば、株価と利益の10年分が一致します。
PERが低ければ、投資した金額に対して、利益分を早く回収できるということです。
つまり、PERが低い=割安である、と言えます。
判断指標
一般的にPERの妥当水準は15~20倍程度と言われます。
ただ、利益が安定しており成長がほとんどない企業は、PERが10程度で落ち着いていることが多いのです。
利益が安定している企業の場合は、投資元本回収に10年かかる水準が、株価の妥当数値と言えます。
・利益成長が見込まれる企業であれば、PERが10より大きくても回収できる。
PERが20を下回っていたら割安と言える。
注意点
PERは、「株価」と「利益」によって変わります。
そのため、毎年の利益の大きさによって、PER数値は大きく変わってしまうのです。
つまり、業績が安定している企業でないと、PER値での銘柄判断は難しい、と言えます。
PERの値が小さければOK!というわけではないのです。
1,3の場合は購入しても問題はありません。
しかし、2の場合、株価はどこまで下がるか分かりません。
私のような素人は、下落が止まるまで、手を出すべきではありません。
- 市場全体が低迷しており売り傾向
- 業績悪化、成長鈍化を織り込み下落傾向
- 不人気のため安値で放置
PBR(Price Book-value Ratio)=貯金の力
株価が、純資産の何倍の水準であるか。
1株当たりの純資産に対して、株価がどの程度の割合か、が分かります。
PBR 株価純資産残高=株価/純資産(1株当たり)
PBRが1より小さいということは、1株当たりの純資産額より、投資額の方が安いということです。
つまり、会社が解散してしまったとしても、もらえる残余財産が投資額より高い、ということになります。
そのため、PBRが小さいほうが割安である、と言えます。
判断指標
多少業績の悪化があっても、PBRが1より小さければ割安と言えます。
逆に言うと、1以上であれば割安ではない、と判断することもできます。
ただし、高成長株には、高PBRが多くなる傾向があります。
市場が売上や利益の増加を高く評価し、高PBR化した場合は、今後の利益増加が見込めればPBRも自然に下がってくるため、一概に割高と言うことはできません。
注意点
資産の売却やリストラ費用計上、有価証券の下落等で、資産・純資産が減少する場合があります。
その場合、PBRも大幅に悪化(上昇)してしまいます。
資産の内訳は、決算短信でも確認しておく必要がありますね。
PBR+αで見るべきポイント
ここまで見ておけば、より安心度が高まります!
- 毎期黒字計上
- 無借金、それに近い状態
- 営業キャッシュフローがプラス
ROE(Return on Equity)=資本に対する利益率
概要
自己資本に対する当期純利益の割合です。
自己資本を効率的に使って利益を出しているか?が分かります。
数字が大きいほうが収益性が高い、と言えますね。
自己資本当期純利益率=当期純利益/※自己資本
※自己資本=株主資本+利益累計額=純資産ー非支配株主持ち分:返済する必要がないお金のこと
判断指標
ROEでは「割安株」はどうかは判断ができません。
しかし「成長株」かどうかが分かります。
ROEが高いほうが、自己資本に対して大きな利益を出していることになるので、株価は上昇しやすい、と言えます。
ROEが10%以上であれば、収益性が高いと言えます。
注意点
自己資本が小さい企業のROEは大きくなりがちです。
ROEが大きいからと言って、「成長株」である、と断定することはできません。
収益性を図る別の指標であるROA※や、安全性を図る指標である自己資本比率も併用しながら判断する必要があります。
※ROA(Return on assets):総資産利益率
ROA(Return on assets)=総資産に対する利益率
概要
総資産に対して、どのぐらいの当期純利益を得ているか、が分かります。
数字が大きいほうが、資産額に対して大きな利益を出している、ということですね。
ROA | = | 当期純利益 | / | 総資本 |
= | 当期純利益/売上高 | × | 売上高/総資本 | |
= | ①売上高利益率 | × | ②総資本回転率 (売上は総資本の何倍にあたるか) |
①売上高利益率、もしくは②総資本回転率が高くなれば、ROAは上昇します。
ROAが高いのに、②回転率が1程度で低水準の場合、そのビジネスは①利益率が高いということが読み取れます。
逆に、①利益率が低くて②回転率が高い場合は、薄利多売のため、販売価格を下げると赤字になる懸念がある!ということです。
判断指標
ROAが5%以上であれば、優良と言えます。
配当性向
概要
来期以降も同水準の配当が見込めるかを見るための指標です。
配当性向(%)= 1株当たり配当金/1株当たり当期純利益 ×100
利益を配当金に回す割合が小さくなるので、配当性向が低いほうが、配当金の支払い余力が高くなります。
判断指標
1つの目途として、配当性向が50%を下回っていれば合格と判断することができます。
自己資本比率
概要
資産のうち、自己資産※の占める割合のことです。
※自己資本=株主資本+利益累計額=純資産ー非支配株主持ち分:返済する必要がないお金のこと
数値が高いほど安全と言えます!
判断指標
80%以上:優良
50%以上:合格点
20%以下:リスク高
判断基準まとめ
以下に、指標ごとの判断基準をまとめてみました。
上記注意点にも記載の通り、数値のみで一概に言えるものではありません。
しかし、判断基準があるのとないのとでは、銘柄の見え方が大きく異なります!
そもそもですが、下記数値だけでなく、売上・利益が数年(3年以上)に亘って好調であることが前提です!
指標 | 指標の意味 | 判断基準 | 分かること |
---|---|---|---|
PER | 株価収益率 | 20より小さい | 割安株 |
PBR | 株価純資産残高 | 1より小さい | 割安株 |
ROE | 自己資本当期純利益率 | 10%以上 | 成長株・高収益 |
ROA | 総資本当期純利益率 | 5%以上 | 高収益 |
配当性向 | 当期純利益配当率 | 50%以下 | 安定配当 |
自己資本比率 | 自己資本資産比率 | 80%以上:優良 50%以上:合格 | 安全性 |
優良株の見つけ方

それでは、具体的に優良株を見つけるポイントをみてみましょう!
- 成長株:これから成長が見込める銘柄
- 割安株:業績の割に、株価が安価な銘柄
成長株
成長株概要
- 過去3年の売り上げと経常利益が伸びている企業(できれば10年見るべき)
- 当期以降も伸びる見込みがある。
成長株選びのポイント
- ROEが良い銘柄を購入する。(かつ、増収増益が続いている)
- 外的要因に影響されやすい業界を省く。
例:建設、自動車、鉄鋼、商社、証券、銀行など - 利益だけでなく、売上も上がっている銘柄
- 単に成長しているだけでなく、今後も伸び続ける見込みがあるか。既に成長しきっていないか。
ただし
現在のPERだけでなく、将来のPERも考慮して想定する必要があります。
今後も増収増益が見込まれる場合は、PERの値にはこだわらず、成長株候補としてOKです。
また、同じ成長株でも、高PER(100~)の場合はハイリスクハイリターン、高くない場合(~20)は、ミドルリスク・ミドルリターンとなります。
ただし、3年(もしくは10年)業績が伸びている企業は、他の投資家も投資しているため、すでに高値掴みになってしまう可能性もあります!
割安株
割安株概要
- 企業価値に対して、株価が安価な銘柄
割安株選びのポイント
- 毎期しっかり利益をあげている銘柄から選ぶ
- 利益や配当が大きく変動する銘柄は、数値の信用度が低くなるので注意!
- PERが低いと割安
- PBRが低いと割安
- 配当利回りが高いと割安
さいごに
「ファンダメンタル投資の教科書」から、株式指標・財務指標の意味、判断指標を理解できました。
今までいろんな本を読んでも、全くしっくりこなかったのに、ここまで理解が深まったことに、本当に感激しています!!
そして、少し理解できたことで、新たに見えてきたポイントもありました。
1銘柄購入ではなく、多数の銘柄に分散投資することを考えると、見なくてはならない資料・指標・頻度が多すぎることが分かりました。
また、個人投資家がどんなに頑張って確認したところで、個人とプロ投資家では、そもそも得られる情報の内容やスピードも違います。

プロだっていつも勝てるわけじゃないのだから、難しいのは当然ですよね。
今後の方針
個人的に気になった銘柄や仕事関係などで、個別銘柄分析はやってみようと思います。
ただ、資産の大半を預けるのためには、もっともっとたくさんの勉強が必要です。
また、日常からチャートや業績情報を見張る必要があります。
「自由な時間!」を求めて投資を始めたのに、投資に多大なる時間を要したのでは本末転倒だと感じています。
やはり私は「ETFを主体!」に、投資を進めていこうと思います!
本書で勉強したことで、投資の知見を学ぶとともに、自分の投資の方向性も固めることができました!
投資でお金を増やしたい方は、ぜひ一度、手に取ってみてはいかがでしょうか。
本書では、チャートの見方についても解説もありました。

にわか投資家に、個別株投資は難しいですね。
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